アランジアロンゾさん

2019/06/16

先日、アランジアロンゾさんがMARBLE B&Bに来てくださった。メキシコ人のアランジさんと、インド人のアロンゾさん、2人あわせてアランジアロンゾさん。というのはウソで、大阪ご出身の姉妹ユニット。たくさんのキャラクターグッズをつくって販売していて、全国の直営店の他、台湾にもお店やカフェがある。アランジさんは大阪と東京の大都会にお住まいなので、茨城の田舎にお越しいただくのは退屈かと思い、お誘いするのは恐縮してしまう。それでも、ぜひ一度お越しいただいて、MARBLE B&Bに泊まって欲しいなと思っていた。本当に来てくださって、感無量だった。

アランジさんが手がけたキャラクターは数多くある。その中で最も有名なのは、愛知万博の公式キャラクター「モリゾー」と「キッコロ」かもしれない。他にも「たまごクラブ」「ひよこクラブ」のキャラクター「たまひよちゃん」、名古屋の中部国際空港セントレアのキャラクターなど、数え切れないほどのキャラクターを生み出している。

2005年に開催された愛知万博の公式キャラクター「モリゾー」と「キッコロ」。アランジアロンゾさんが生み出したキャラクター。

アランジさんに初めてお会いしたのは、1997年だった。私は渋谷のウェブ制作会社に勤務していて、渋谷駅にはその頃、特大のパンダの看板があった。確かパルコの看板広告だったと思う。アランジさんが手がけたそのパンダの強烈なインパクトとかわいらしさとへんてこさがたまらなく大好きだった。会社を出入りしていたアニメーターの伊藤有壱さんと、渋谷駅のホームで「伊藤さん、私アランジアロンゾさんのホームページがつくりたい」「アランジさんとうどんを食べたことがあるよ、紹介してあげようか」という話をしたのを今も鮮明に覚えている。

当時はまだインターネットが普及しておらず、携帯電話を持っている人も少なかった。「メール」といっても、「それなに?」と言われる時代だ。伊藤さんの紹介でアランジさんとお会いして、「ホームページをつくりませんか!」「インターネットにお店をつくりませんか!」と熱く語ったものの、「インターネットってなにができるんですか」「まずは、なにから始めたらいいですか」という感じだったと思う。私にとってインターネットは当時既になくてはならないものになっていて、学生時代から深夜のテレホーダイタイム(電話し放題の時間帯)になると、パソコン通信に明け暮れていた。プロバイダ契約をして、インターネット回線が使える家庭など、まだ稀だった。そんな時代だったので、アランジさんに「まずはモデムを買いましょう」と提案をして、メールの交換から始まった。

アランジアロンゾさんの公式サイトができたのは、1998年。あれから20年以上に渡って、アランジネットの制作を担当させていただいてる。アランジさんが一生懸命つくったオリジナルグッズを、なるべく早く皆さんに届けられるように、オンラインショップの運営やメールマガジンの編集など、ネットにまつわるあらゆる業務が私の本業だ。アランジネットと一緒に成長させていただいた。

 

アランジさんと一緒になめがたファーマーズヴィレッジへ出かけると、いつもは賑わっているはずのレストランが不安になるほどの貸切状態だった。地元で人気のレストランにお連れしたつもりが、説得力がまるでない。地元茨城のおいしいものを堪能したあとは、私が「鹿島のおっちゃん」と呼んでいる高野さんの案内で、蛍鑑賞に出かけた。おっちゃんの田んぼは、夜とても肌寒かったので、3人でおっちゃんのぶかぶかのジャンパーを貸してもらった。外灯もなければ電線すらない真っ暗闇を歩く。暗闇の恐怖というのも田舎ならではかもしれない。

ふわりふわりと源氏蛍が現れた。小さな光が強烈だった。時間が経つごとに光が増えていき、蛍のやさしく儚げな光に包まれるのは生まれて初めてだった。都会では味わえない、幻想的な体験だった。蛍の寿命は約1週間と極めて短いので、絶好のタイミングで蛍観賞できたようだ。

山道をかき分けて、ようやくアスファルトに出ると現代に戻ってきた気分だった。あの蛍がいた田んぼは、映画で見る戦前の日本のようで、タイムスリップしたような不思議な感覚に陥った。

 

アランジさんはお仕事でもプライベートでもよく旅に出る。以前、私が日本を捨ててオランダに移住する計画を立てていたことがあった。その頃、アムステルダムにアランジショップをつくったり、一緒にオランダ、ベルギー、フランスを旅したことが今も大切な思い出だ。

2005年2月、オランダの首都、アムステルダムのダム広場近くにアランジさんのお店ができた。商品を輸出して、みんなでお店の開店準備をした。

旅好きのアランジさんは「いい宿」をきっとよく知っているので、MARBLE B&Bに泊まっていただくのは、とても緊張する出来事だった。それに、大阪本店安藤忠雄設計の素晴らしい建物で、南青山の東京店かめ設計室が手がけている。アランジカラーの特注タイルを焼くところから建物をつくるこだわりがすごい。小さいものから大きなものまで、徹底したものづくりに取り組んできたアランジさんに、欠陥だらけで問題の多いわが家を見ていただくのは、うれしい反面不安も大きかった。居心地がよかったと言っていただけたこと、アランジさんとアロンゾさんがブランコに揺られている姿もとてもうれしかった。

MARBLE B&Bの食器はアランジアロンゾのよだれちゃん。アランジさんが新築祝いにくださったもので、この食器でアランジさんが朝ごはんを食べてくれたのもうれしかった。

2018年2月に「わんぱくサンドづくりワークショップ」を開催した。そのときもアランジアロンゾのキャラクター「よだれちゃん」のお皿とカップでみんなで食べた。
2016年1月に鹿嶋に移住したとき、アランジのスタッフさんたちから寄せ書きをいただいた。サッカーの町鹿嶋ということで、ネットちゃんがサッカーしている。

後日、アランジさんから贈り物とお手紙が届いた。鹿島のおっちゃんに届けにいくと、大変感激して「その蛍の絵は、おっちゃんに書いてくれたんだろうから、あんたじゃなくておっちゃんがもらって飾る。おっちゃんにちょうだい」ということで、おっちゃんの手に渡った。わが家のドアには、帰り際にしろねこのイラストを描いてくださった。ペンを手にしたアランジさんが、どんどん視線を下げて遂にしゃがみ込んでしまった。猫の視線で描いてくださったのだ。

蛍ガイドをしてくれた「鹿島のおっちゃん」こと高野さん。
アランジアロンゾさんの蛍、かわいい。

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