福島県会津若松市の七日町にある宿たかやさんから歯ブラシが届いた。宿泊した際、宿の女将さんに歯ブラシについて相談したら、すぐに2箱送ってくださった。大変ありがたい。大事に使わせていただきます!
これまで、MARBLE B&Bの使い捨て歯ブラシは100円ショップで買い揃えていた。安い歯ブラシとはいえ、当初は想定していなかったサービスなので追加のコストがかかる。時々、夜に1本、朝また1本使うお客さまがいたり、歯磨き粉がごっそりなくなっていることもあって、悩ましかった。
宿たかやさんは創業80年の老舗旅館だ。洗面所にあった歯ブラシが個別包装されていて、歯磨き粉も付いていたので、こういうのはどこから仕入れているのかと尋ねると、隠すことなく教えてくださった。会津若松といえば福島県屈指の観光地なので、旅館ホテル組合があり、宿泊に関する情報が町で共有されている。歯ブラシは組合に電話したらすぐ届くという。さすが会津若松だ。
使い捨て歯ブラシなど、やめてしまおうかと考えたこともあったけれど、半数以上のお客さまが使ってくださっている。歯ブラシを忘れたら、隣のコンビニで買えばいいという人もいたが、せっかく靴を脱いでのんびり過ごして、あとは歯を磨いて寝るだけというときに、コンビニに走らせるのは忍びない。このサービスは、今のところやめるつもりはない。だが、コストは落としたい。
老舗旅館の女将さんが私のような新米の宿主に「同業だね」と、宿についてのあれこれを惜しみなく話してくださった。夏場のお掃除中、客室のエアコンなどわざわざ付けない。では、滝のような汗をどうするかといえば、私は手ぬぐいを首に巻き、時々休憩しながらベッドメイキングをする。女将さんは手ぬぐいじゃ間に合わないから、Tシャツの中にタオルを入れて掃除をするという。なるほど。お金を持たずに宿泊しようとするお客さんにどう対応したかとか、ベテラン女将さんの話しは勉強になる。
宿泊するとき、いつも食事中は女将さんとおしゃべりしているので楽しい。まさか旅先の会津若松で、歯ブラシ情報が得られるとは思わなかった。宿たかやさんのおかげで、歯ブラシのコストが1/4程度になった。
会津若松を訪れると、これまでは東山温泉に泊まっていたので、この七日町は穴場だった。日本的な町並みと、伝統的なお店がコンパクトに集まっている。宿たかやの オーナーさんご夫婦は3代目で、「この宿はごはんがすごい」と聞いていた。実際、手の込んだ会津のお料理がこれでもか!と出てきて、噂は本当だった。貴重なピンクアスパラガスも最高においしかった。おとうさんの作るお料理は、会津の郷土料理で手の込んだ会席料理だ。このごはんをいただけるのは、泊まったお客さんだけ。1泊2食付きで8,250円というのは安すぎではないか。会津のおいしいものを食べるなら、たかやさんをおすすめする。
2011年の東日本大震災後、会津若松市内のホテルや旅館の多くが被災者の受け入れ場所になっていた。私の母親も震災直後、駅前のビジネスホテルでしばらく不便な生活を送っていた。「被災者はエアコンを使うな」とか、ホテルからの差別や理不尽な目に遭い、耐える生活を送っているという話をよく聞いていた。
宿たかやさんでも大熊町からの家族を受け入れていたようだ。着の身着のままで避難した子が学校に着ていく制服がないと聞いて、奔走してくれたり、とても親切にしてくれたようだった。原発事故の被災者で、たかやさんに身を寄せていた子は、私の後輩だったかもしれない。あたたかく迎えてくださって、感謝したい。
いい宿がある町は、それだけでまた訪れたくなる。MARBLE B&Bでこんな手の込んだお料理はないが、この鹿嶋に「また泊まりたい」「またあの町に行きたい」と思ってもらえる宿を作りたい。
会津若松市七日町 宿たかや
住所 | 〒965-0044 福島県会津若松市七日町5-25 |
TEL | 0242-22-2265 |
- ご予約は電話のみ
- お支払いは現金またはPayPay
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