飛行機と車と自転車と

鹿島アントラーズの試合観戦で、多くの方が遠くからいらっしゃる。飛行機の場合、成田空港から電車を乗り継いで鹿島神宮駅まで。成田は近くて遠い。

成田空港から鹿嶋は、高速道路を使えばたったの30分だけど、私は普段節約して一般道を使っている。1時間の道のりだ。これが電車だと、成田空港駅から成田駅で乗り換え、接続が悪いときは佐原駅、香取駅での乗り換えが必要になり、空港から1時間半〜2時間もかかってしまう。重くて大きなトランクを持った旅行者には本当に不便だ。成田空港から東京方面は、リムジンバスも豊富で安い。空港から東側は、足がないのだ。

先日、サッカー観戦でいらした韓国チームのサポーターは、成田から一度バスで東京に出て、東京からバスを乗り換えて鹿嶋まで来てくださった。ソウル〜成田の飛行時間より、国内バス移動の方が長い!ちなみに、GoogleMapで成田空港からカシマスタジアムへルート検索した場合も、一度東京駅を経由してバスを乗り継ぐルートが出てくる。それはつまり、新宿から東京駅に向かうのに、一度八王子に行くようなものではないか。バカげている。来年2020年のオリンピックにも、不安が募る。

さて、先日の鹿島アントラーズvs松本山雅戦、福岡のお客さまが宿泊してくださった。仕事を早く片付けて飛行機に飛び乗り、鹿嶋神宮駅に到着したのは夜遅い時間だった。年に一度、鹿嶋でサッカー観戦するのがとにかく楽しみで、長い道のりもまったく苦ではないという。そういうファンの気持ちにクラブも、ホストタウンに暮らす私たちも、何らかの形で答えなくてはいけないなと思う。ファンの気持ちに甘えてはいけない。空港から鹿嶋のアクセスの悪さは、必ず改善していただきたい。「鹿島が勝っても負けても、鹿嶋に来るのはとっても楽しい」と彼女は言う。その気持ちに、MARBLE B&Bでもなにか少しでも応えてあげたい。

試合日、15時のキックオフを前に、彼女は自転車でクラブハウスの練習見学に出かけた。出場しない選手たちが9:30から通常通り、練習をするのだ。練習後には、ファンサービスでサインをもらえたりもするので、試合前にクラブハウスに立ち寄るファンも多い。

MARBLE B&Bには、ギア付きの立派な折り畳み自転車が一台だけある。実は、2年以上も前に鹿島アントラーズの選手から預かったもので、いつ取りにきてもいいように、時々パンクを直したり、磨いたり、油を差したりと、丁寧にメンテナンスしていた。けれど、彼は自転車を置いたままよそのチームに移籍してしまった。それはつまり、もうこれは私の自転車と言っていいのではないか。使われずにパンクして錆び付いてしまうより、誰かが時々乗って活用した方が、自転車にとってもいいだろう。ということで、MARBLE B&Bのお客さまにも貸し出すことにしている。

わが家からクラブハウスまで、15〜20分程度のサイクリングだ。さらに、クラブハウスからスタジアムまで追い風を受けて走り、とても気持ちが良かったそう。宿のお掃除を終わらせて、私もスタジアムに向かう。お客さまが置いておいた自転車を回収し、折りたたんで車に積み込む。帰りは車で一緒に帰る。実に合理的である。

松本山雅戦は、5-0と鹿島アントラーズの大勝だった。大量得点の完封勝利とあって、福岡のお客さまもテンション上がりまくり。白崎選手のユニフォームを着てお客さまと記念に写真を撮った。この日2得点をあげた白崎凌平選手は、自身のお誕生日だった。こんな記念すべき日に、移籍後初ゴールを2発も叩き込んで完封勝利って、白崎選手は努力や運だけでは掴めないなにかを持っているに違いない。と、白崎選手いちおしの家主は思う。

サッカーの町、鹿嶋にこんな変な宿があってもいいだろう。

カシマスタジアムの自転車置き場は、ジーコ像の前の原っぱ。のどか。

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